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8月21日の個別リハビリでは、スリングセラピーを行いました。
今回は、腰を吊るすレッドコードを伸縮性のあるゴムコードに替えての実践です。ゴムの補助がしっかりと働いたおかげで、ヒップアップブリッジが非常にやりやすくなりました。
また、プーリーを使用した下肢の上下運動も、思いのほかスムーズに行うことができました。
スリングセラピーは、すぐに劇的な変化が現れるというよりも、続けることでじわじわと効果が出てくるものです。右半身麻痺と向き合う私自身の体験として、強くそのように感じています。
あらためて、この運動のターゲットと具体的な効果、そしてより効果を上げるための注意点を、自分への記録も兼ねて以下に箇条書きでメモしておきます。
①プーリー(滑車)を使用した下肢の交互上下運動
骨盤を浮かせた状態でのプーリー運動は、歩行に必要な機能の改善にとても有効です。
股関節屈筋群:足を上げる働きを持つ、腸腰筋などの筋肉群です。
股関節伸筋群:足を押し下げる働きを持つ、大殿筋やハムストリングスです。
体幹の筋肉群:不安定な状態で骨盤の水平を保つ、腹筋や背筋などの筋肉です。
関節可動域の維持:健側の動きを利用し、麻痺側の股関節の可動域を広げ維持します。
協調性の向上:左右交互の滑らかな運動により、歩行に必要な協調性を養います。
姿勢保持能力の向上:空中で骨盤を保持することで、姿勢を安定させる機能が高まります。

動作のスピード:反動を使わず、筋肉の働きを意識しながらゆっくりと動かします。
骨盤のコントロール:運動中にお尻が落ちたり骨盤が左右に傾かないよう水平を保ちます。
麻痺側の意識:健側の力だけに頼らず、麻痺側の足も動かすよう意識を向けます。
※この運動は、健側の力を麻痺側の補助として使えるため、無理なく関節を動かしながら神経回路に刺激を入れることができます。
②リズム良く両足の開閉運動
歩行時の骨盤の安定性や、左右のバランス感覚を養うのに非常に優れたトレーニングです。
股関節外転筋群:足を開く働きを持つ、中殿筋などの股関節外側の筋肉です。
股関節内転筋群:足を閉じる働きを持つ、太もも内側にある内転筋群です。
体幹・股関節伸筋群:骨盤を高く保つために働く、腹筋や大殿筋などの筋肉です。

歩行時の安定性向上:中殿筋などが鍛えられることで、歩行時の骨盤の揺れを防ぎます。
左右の協調性の向上:両足を同時に開閉することで、左右の筋肉を協調させる力を養います。
姿勢保持能力の向上:空中で骨盤を維持しながら足を動かすため、体幹が安定します。
骨盤の高さを保つ:運動中にお尻が下がらないよう、常に骨盤を高く保ち続けます。
左右対称な動き:麻痺側と健側が同じ幅で開閉するように、動きをコントロールします。
反動を使わない:スリングの揺れや反動に頼らず、筋肉の収縮を意識して動かします。
※空中で骨盤を安定させながら足を動かすのは難易度が高いですが、歩行能力の向上に直結する素晴らしいリハビリです。
③空中歩行運動
実際の歩行に近い筋肉の連動性を、安全な環境で学習できる非常に実践的なトレーニングです。
股関節屈筋・膝伸筋群:足を前に振り出す働きを持つ、腸腰筋や太もも前側の筋肉です。
股関節伸筋・膝屈筋群:足を後ろに蹴り出す働きを持つ、お尻や太もも裏側の筋肉です。
体幹の筋肉群:空中で歩行動作を行う際、骨盤を安定させる腹筋や背筋です。
歩行動作の再獲得:実際の歩行に近い足の動かし方を、空中で安全に反復学習できます。
下肢の協調性向上:左右の足を交互に曲げ伸ばしすることで、滑らかな動きを養います。
動的姿勢保持の向上:足を動かしながら骨盤を空中で維持するため、体幹が強化されます。

骨盤の安定性を保つ:足の動きにつられてお尻が落ちたり、左右にブレないよう保ちます。
なめらかな交互運動:反動を使わず、歩くペースを意識して一定のリズムで動かします。
麻痺側の軌道への意識:右足が外に開いたりせずまっすぐ曲げ伸ばしできるよう意識します。
※歩行動作は全身の筋肉を連動させるため、脳へのフィードバックも大きく、非常に効果的なリハビリになります。
④カエル足運動
股関節を大きく動かすことで、歩行や方向転換に必要な柔軟性とコントロール力を高める非常に効果的なリハビリです。
股関節の筋肉群:足を開きながら曲げる働きを持つ、お尻周辺の筋肉です。
大腿部の筋肉群:膝を引き寄せ、再びまっすぐ押し出す太ももの筋肉です。
体幹の筋肉群:空中で骨盤の高さを保ち、姿勢を安定させる腹筋や背筋です。
股関節の柔軟性向上:股関節を外側に大きく開くことで、関節の可動域を広げます。
左右の協調性の向上:両足を同時に曲げ伸ばし、左右の動きを合わせる感覚を養います。
姿勢保持能力の向上:足を動かしながら骨盤を保つことで、体幹の安定性が高まります。

骨盤の高さを保つ:動作中にお尻が落ちないよう、骨盤を一定の高さにキープします。
左右対称な動き:麻痺側も健側と同じ角度で開き、均等に動かすよう意識します。
動作のスピード:反動を使わずに、筋肉の働きを感じながらゆっくりと動かします。
※この運動は、麻痺側で開きにくさや閉じにくさが出やすい部分ですが、スリングの補助があるため安全に可動域の訓練ができます。
⑤ヒップブリッジ(骨盤挙上)
お尻や体幹の筋肉は歩行や立ち上がり動作の要となるため、非常に重要かつ効果的なトレーニングです。
健側の股関節伸筋群:健側のお尻や太もも裏の筋肉で、骨盤を持ち上げ体を支えます。
麻痺側の股関節屈筋群:空中に浮かせた麻痺側の足を引き上げる腸腰筋などの筋肉です。
体幹の筋肉群:片足支持という不安定な状態で骨盤を安定させる腹筋や背筋です。

片脚支持期の安定:片足で骨盤を支えることで、歩行時の片脚立位の安定に繋がります。
麻痺側の随意性向上:空間で麻痺側の足を保持・コントロールする基礎的な力を養います。
体幹バランスの強化:左右非対称な負荷がかかる中で、骨盤の姿勢を保つ能力が高まります。
骨盤の水平をキープ:浮かせた麻痺側の骨盤が下に落ちないよう、水平をキープします。
お尻の筋肉を意識:支える健側の足に頼りすぎず、お尻の筋肉を使って持ち上げます。
麻痺足の正しい位置:上げた麻痺足が外に開いたりせず、まっすぐな位置を保ち続けます。
両側の股関節伸筋群:骨盤を上に持ち上げる働きを持つ、大殿筋や太もも裏の筋肉です。
体幹のコアマッスル:持ち上げた骨盤と背骨を一直線に安定させるための腹筋や背筋です。
股関節の内転筋群:両足をしっかりと揃えて閉じておくために働く、太もも内側の筋肉です。
対称的な体重支持:左右均等に力を入れて骨盤を上げることで、身体の対称性を学習します。
基本となる筋力向上:立ち上がりや歩行の要となる、お尻や体幹の基礎的な筋力を高めます。
姿勢の安定性アップ:両足でしっかりと空間で体を支え、ブレない強靭な体幹を作ります。
麻痺側への意識づけ:健側の力ばかりで持ち上げず、麻痺側のお尻も使うよう意識を向けます。
両足をしっかり揃える:動作中に膝が開かないよう内ももに力を入れ、両足を揃えて行います。
腰を反りすぎない:腰の力だけで上げず、お尻と太もも裏の筋肉の収縮を感じて持ち上げます。
※片足支持での非対称なコントロールから、両足での対称的な力の発揮へと切り替えることで、脳への良い運動学習に繋がります。体幹やお尻の筋肉をしっかり意識しながら、リハビリを進めてください。
⑥両下肢の屈曲・伸展運動
両足を同時に動かすことで、左右の協調性や体幹の安定性を高める優れたトレーニングです。

股関節・膝の屈筋群:両足を引き寄せる働きを持つ、腸腰筋や太もも裏の筋肉群です。
股関節・膝の伸筋群:曲げた足を再びまっすぐ押し出す、お尻や太もも前の筋肉群です。
体幹の筋肉群:足を動かしながら空中で骨盤を支え続ける、腹筋や背筋です。
左右の協調性の向上:両足を同時に曲げ伸ばしすることで、左右の協調性を養います。
下肢のコントロール:麻痺側と健側を連動させ、自分の意思で足を動かす力を高めます。
動的姿勢保持の強化:動作中に骨盤を空中で維持するため、体幹の安定性が高まります。
健側で代償しない:健側の力に頼りすぎず、麻痺側も意識して均等に引き寄せます。
骨盤の高さを保つ:足を引き寄せる際にお尻が落ちないよう、骨盤の高さを保ちます。
動作のスピード:反動を使わずに、筋肉の働きを感じながらゆっくりと動かします。
※両足を同時に引き寄せる動作は、腹筋など体幹への負荷も大きいため、姿勢の維持が良いリハビリになります。右足(麻痺側)の動きもしっかりと意識してください。
⑦下肢を大きく振る(左右への振り子のような)
重心の移動に耐えながら姿勢をコントロールするため、歩行時のふらつきを抑える体幹作りに非常に優れたトレーニングです。
体幹の回旋・側屈筋群:腹斜筋など、足を振る動きをコントロールする体幹の筋肉です。
股関節の伸筋群:空中で骨盤を高く水平に維持するための、お尻や太もも裏の筋肉です。
股関節の周囲筋群:両足を揃えて左右に振るため、内ももや外側の筋肉も同時に働きます。

体幹の動的安定性向上:大きな動きの中で姿勢を保つため、歩行時の体幹のブレを防ぎます。
下肢と体幹の分離運動:上半身を固定し下肢を動かすことで、滑らかな歩行動作に繋げます。
バランス感覚の向上:左右に重心が移動する中で姿勢を維持し、バランス能力を高めます。
骨盤の高さを保つ:足を振る遠心力に負けて、お尻が下に落ちないよう高く保ち続けます。
上半身を固定する:足の動きにつられて肩や背中が浮かないよう、上半身を安定させます。
振り幅とスピードの管理:反動を使わず、コントロールできる範囲と速度で丁寧に左右へ振ります。
※この運動は、麻痺側と健側を連動させながら体幹で踏ん張る必要があるため、全身の協調性が大きく問われる高度なリハビリです。遠心力で姿勢が崩れやすいので、安全第一で、ご自身のペースで丁寧に続けてください。
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