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1. 強化・促通のターゲット
この運動では主に身体の後ろ側にある大きな筋肉を目覚めさせ鍛えることを目的としています。
- 大殿筋(だいでんきん)とハムストリングス
お尻のふくらみを作る大きな筋肉(大殿筋)と、太ももの裏側にある筋肉(ハムストリングス)です。腰を持ち上げる時(股関節の伸展)に一番よく働きます。 - 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)と体幹深層筋(コア)
背骨に沿って走る背中の筋肉と、お腹の奥にある筋肉です。空中で姿勢を真っ直ぐに保つために働いています。 - 動作パターンの促通
両足と骨盤がスリングで支えられた状態から腰を浮かせ、数秒間キープ(等尺性収縮)しています。これにより、麻痺のある右脚にも「体重を支えるための筋肉の働き」を学習させています。
2. 運動の効果
この練習でついた力は、毎日の生活(ADL)を楽にするために直結しています。
- 歩行の安定性アップ(立脚期の安定)
お尻と太もも裏の筋肉がしっかり働くようになると、歩く時に右足で体重を支える瞬間(立脚期)に、膝がカクンと折れたり腰が引けたりするのを防ぐことができます。より安全でスムーズな歩きに繋がります。 - 立ち上がり動作が楽になる
椅子やベッドから立ち上がる際、お尻を持ち上げてスッと前へ体重を移動させる力がつき、スピーディーかつ少ない力で立てるようになります。 - ベッド上での寝返りや移動の改善
お尻を浮かせる力がつくことで、ベッドの上で身体の向きを変えたり、位置をズレたりする動作(いざり動作)がとても楽に行えるようになります。
3. 効果を最大化するための注意点

- 腰の反りすぎに注意しましょう(代償動作の防止)
お尻の筋力が十分に入らないと、無意識に腰の骨(腰椎)を過剰に反らして高さを出そうとしてしまいがちです。これは腰痛の原因になります。映像からは腰の過度な反りは見られませんが、常に「腰で上げるのではなく、お尻の穴をキュッと締める力で持ち上げる」ことを意識してください。 - 右側の骨盤が下がらないように(アライメントの崩れ)
右片麻痺の患者様の場合、どうしても右のお尻の力が弱いため、空中で右側の骨盤だけが床の方へ傾いて下がりやすくなります。動画ではスリングの補助もあって左右均等に上がっているように見えますが、ご自身でも「左右のお尻の高さが同じになっているか」を感じながらキープしてみましょう。 - 上半身はリラックス(正しい力の入れ方)
下半身を頑張って持ち上げようとするあまり、首や肩にグッと力が入ってしまうことがあります。肩の力は抜き、おへそを少し背骨に近づけるようにお腹に軽く力を入れながら(ドローイン)、お尻と太もも裏に意識を集中させるとさらに効果的ですよ。
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